止まり穴用エクスパンションボルトは、雌ねじのある止まり穴に適しています。定評のあるHEICO-TEC®テンショニングナットを使用し、拡張力を発生させます。
止まり穴用エクスパンションボルトは、スリット付きテーパースリーブ、テーパーボルト、HEICO-TEC®テンショニングナット、クランプナットの4つの部品で構成されています。そのサイズと重量のため、止まり穴用エクスパンションボルトは1つのユニットとしてではなく、個々の部品を取り付けていきます。まず、テンショニングナットをテーパースリーブに付けます。止まり穴用エクスパンションボルトの設計によってはテーパースリーブの端面にねじ山を設けることもできます。次に、テンショニングナットを付けたテーパースリーブを、テンショニングナットがカップリングフランジに着座するまでボルト穴内に押し込みます。
テーパースリーブに施されたスリットの設計により、ボルト穴と多少合っていなくても無理なく挿入できる十分な柔軟性があります。
両端にねじ山があるテーパーボルトのテーパー面を下側にしてテーパースリーブに挿入します。その後、フランジ面に出ているテーパーボルトのねじ山にクランピングナットを取り付けます。必要な拡張力を得るために必要な隙間をテーパースリーブとクランピングナットの間にフィラーゲージで調整しながら設けます。
次にHEICO-TEC®テンショニングナットのプレッシャーボルトをテーパースリーブとクランピングナットが接触するまで締め付けていくと、スリット付きテーパースリーブは上部に引き寄せられるためテーパースリーブが拡張し、必要な拡張力が得られます。さらにプレッシャーボルトを締め付けると、軸力が発生し、カップリングのフランジを一緒に締め付けることができます。このプロセスにより、引張荷重や曲げモーメントを伝達することが可能になると同時に、締結部にさらなる摩擦接触が生じるため、伝達可能なカップリングトルクが増加します。
止まり穴用エクスパンションボルトを取り外すには、まずプレッシャーボルトを緩めます。次にクランピングナットを締め、テーパーボルトからテーパースリーブを外します。テーパーボルトは、クランピングナットと共に締め付けが解除されます。スリットがあるので、テーパースリーブは収縮し、HEICO-TEC®テンショニングナットは、最小限の力で簡単に穴から外れます。